ジレンマの原因

以前、どこかで書いたと思うのだが私立医の世界が次世代開業医の育成大学から公務員

や優良一般企業のような職業としての選択先に変化していった所が大きな変化だろうと

思う。後者の方はただひたすら成績を上げるだけだから導入はし易い。親のジレンマ

もほぼないと言える。なにしろ単なる「仕事」を取りに来ているだけだから。

しがらみもないだろう。したがって成長スピードも早い。

しかし、前者の方は「心の中の相互一致」がないとスピードが出ない。

①受験生本人が「宿命」と考えているだけでなかなか行動に移せない。

②患者さんまでが子供の顔まで覚えていて「あんた、将来は後継ぎやろ？」

　とプライベートの話題まで入って来る。「お父さんもお母さんもあんた

　がいるから安泰やね？」とか患者に言われる。

　（実は全然安泰ではないのだが...）

③他の道にも興味があるので決断しにくい。かと言って親が苦労して創り上げた

　資産を無駄にするわけにもいかない。ご先祖様に怒られているような気がする。

   祖父母からも「生きているうちに安心させてくれ」と常に遺言のように言われ

　て適当な返事をして常にごまかしている。

④親の方が「別に継ぐ必要はない」と言っても「そういうわけにはいかんしな？」

　と常に悩んでいる。「建物解体するのも大変だぜ？、働いている人の人生は

　どうなるんだよ？、俺の責任で法人解散か？、そりゃ、まずいよな？、今の患

　者さんはどこに行くんだよ？、ジジババは別の病院まで歩けないぜ？、これも

　困るよな？」と自分なりに考えている。

⑤久しぶりに会った親戚一同から「お前、どこの医大行くん？」ともう完全に決め

　られたパターンで話が進められるため、何とか今は話題を変えようと努力をして

　いる。「お前、成績は？」と聞かれないことを祈りつつ、「まあまあかな？」と

　嘘ぶく。現実は準備が出来ている状態からはほど遠い。

⑥とりあえず、今は親の言う通りに従おう。でも、勉強の爆進までは行かない。
　なぜか、親よりも親戚や祖父母の方が気合いが入っている。受験情報や不要

　な本も大量に買って来たりする。勉強はしていないが、自分への期待感だけは

　ヒシヒシと感じている。

⑦親が別に何も言わない場合はいつ進路について核心に迫る親子会議が来るか
　ビクついている。だんだんぎこちない状態になっている。来たるべき時の自
　分の責任に対する心の準備がまだ出来ていない。「逃げ」の自分は良く知っ
　ている。もし、親に何かあった場合の過度の恐怖感も持っている。

つまり、この若者には重すぎる悩みの答えから行動に移るまでのタイムロスが大きい

のだ。早く行動する方が正しいのだが、悩みが大きいだけに答えが出ない。

ここで浪人期間が追加されて行く。

「お前、このご時世にお前のための就職先準備されてんだからいいじゃんかよ？」

でも、「勉強好きじゃないし、（最初から好きな人間はいない）大変な試験やない

すか？、俺、自信も持続力もないっすから......！」

以上のようにこの停滞期間が長いから完成が遅れるとも言える。心が体を

引っ張るからこんな「イップス」のような心理状況では遅れるのが当然だ。

１人っ子だと兄弟に丸投げさえ出来ない。たしかに答えを早く出すのは難しい

と言える。しかし、ご存知のようにこのタイムロスが長いと長期浪人で人生や

入試のチャンスも失うことになる。致命的遅れだ。

読んでいる人にこの期間を短縮させる技術があるなら指導を仰ぎたい位だ。

心が未熟で動けないよね？、心が半熟でも弱いよね？

でも時は必ず過ぎて行く。

「先生、急がせてくれ！」

これってかなりきつくないですかね？

まだ、動けない人間に対して

「お前、今すぐ起きろ、立て、そして走れ、時間がねーんだよ！！」

って言われて「OK、今すぐやります！！」ってならないんですよ。

これも「年齢の壁」に影響するのがわかりますよね？

進路指導の大切さもわかりますよね？

これを早く気づかせる技術がものすごく重要だと言うことも

わかりますよね？

2020年に入試の大変化が控えているのに気づくべきなんですよ。

その後に気づいても遅いでしょうね？

おそらく負担は今より倍増している可能性があります。

上記の項目を見て

「これ、絶対...今の俺のことじゃん？?」と思う人は

全国に多数いるんじゃないですかね？

問題解決は先送りでもいいが、動かないと損するのは明らかですよね。

入試の大変更なんだから。

自分達がその理不尽な変更に付き合わないといけない。

「ゆとり世代」の人間ならよくわかるよね？

そのツケはきついと思うよ。

「スピード＝お金」だと前にも書いたよね？